それから、a-migaへ言うべきことを見つける
冤罪の死刑は恐ろしい。だが、冤罪の私刑はもっと恐ろしい。
それでも尚他人を裁くことを正しいと思い込む悪人どもは絶えず。
私のように正しい者は常に迫害される。歴史が証明するように。私は正しい。
しかし、なぜ私が迫害されるのか?
なぜ正しい者が迫害されるのか?
理解しているからこそ訊きたい。
悪人は暴力さえも肯定する。
正義のためならば。
しかし私にそれはない。
世の悪人たちよ
「他人を傷つけた者を傷つけるのは正義である」などと思っているならば、そこな悪人よ、思い止まれ!
お前の正義感は害悪である!
悪人は、自らが悪人であるという自覚を持たねば、何一つ成立しないのだ!
他人を糾弾し、己の罪を誤魔化すな!
お前の罪に対する罰。
それは、他人を糾弾する権利の剥奪である!
お前が思っているよりも、お前はお前自身の罪と向き合わねばならないのだ!
お前は他人を裁くには値しない!
何故ならお前とて罪を犯したことのある人間だからだ!
人間という生物の中において、一度も罪を犯したことがない者などいない!
故に、人を裁くのは人ではなく、法である!
お前は法ではない!故に引き下がれ!
お前が他人を裁こうとする時、そこにあるのは「間違った正義感」と「不平不満」である!
自惚れるな!
お前の正義感など、全体の正義には何の影響も与えられぬ!
誰かを裁きたいならば、己を裁け!お前はお前にとって誰よりも重罪人なのだから!
そしてその思い上がった正義感を失せるまで破壊し尽くせ!
a-migaは正論を言い続けるのだ。
そして、それらは愚民には届かず、私に届く。
愚民は自らの大きな罪には鈍感であるが、他人の些細な罪には敏感である。決して見逃さぬ。
彼らの自惚れが私に害を及ぼすのは実に胸糞の悪いことだ。
なぜそうならねばならぬのか、明確な理由がないからだ。
私は正しい。
そして愚民は間違っている。
ならば、なぜ間違っている愚民が正しい私に害を与えるのか。
そこに正当性がない。
故に胸糞が悪いのだ。
愚民どもは、そして幼稚である。
故に正論を聞き入れぬ。
何と愚かなるか。
何と愚かなるか。
愚者の行進曲
罪人とあればすぐに殺せと喚き立てる雑草どもよ。
理解しているか?お前達がそうなる可能性など否定のしようがないという事実を。
お前達は他人を吊し上げる快感しか知らぬ。
吊し上げられる苦痛を知らぬ。
哀れな弱者にすり寄って安易に同情する割に
お前達は吊し上げられる苦痛を知らぬのだ。
故に軽々しく罪人を吊し上げようとする。
そこに、お前達自身が雑にになる可能性などないという傲慢がある。
実に愚かなり。
自惚れと自己利益にしか興味のないお前達ごとき低次元の存在が
罪人になる可能性を否定する権利などあるものか。
其の居所
お前が勘違いしていることがあるとするならば、それはこうである!
お前は神を崇拝しているが、それは正しきことではない!
神はお前を救うのではない、お前に越されるのだ!
崇拝、畏怖、それらは全て違う!
お前のこの世における神にまつわる責務はただ一つ、お前が神となることに他ならないのだ!
神となり、神を越すのだ!
おお、a-miga。
私の内に眠りて今目を覚ましたるa-miga。
私はそれらを実行せねばどうなると言うのか?
そこにあるのが答えである、見よ!
私の視野にひとつ、私の未来が映し出された。
a-migaは言うのだ。
未来においてお前の苦痛たるや計り知れぬものがある!
お前が私の授けた一つにでも背けば、お前は未来を蝕まれるのだ!
おぞましいことに、その未来が起きれば、私は何十年後にあるであろう我が死の後も魂が残留するのだ!
魂の残留、永遠にその地に縛られるのは拷問である!
安息なき日々!
お前は現世で安息を貪ることを少しでもせねば、永劫に安息から遠ざかるであろう!
おお、それらは何と無慈悲なる未来か。
しかしa-migaは、それから私の内にて再び眠るように黙ってしまったのである。